金曜日。
週末ではありません。
明日は作業所が開所し、おれは通所します。
あ! 今思い出しましたが、院外薬局に寄って薬をピックアップすることを忘れました。
今朝処方箋を預けて「夕方に」という流れであったのに。
明日、忘れないうように。
井伏鱒二に『掛け持ち』という短編があり、文戯杯に投稿した『ふたつの聖夜』は、あのテイストにしたかった。
『掛け持ち』は、年の半分を温泉宿のしがない雇われ人として過ごす者が、違う半年は別の土地の宿で番頭としてブイブイいわす話です。
初見で『あ~、そういうのってあるよな~』と。
おれは引っ越しばかりする家に育ち、それゆえ転校が多く『掛け持ち』の主人公の二面性は経験則から理解しました。
井伏鱒二の短編小説は「愛読した」と云える気がします。
読んだ回数ではなく記憶しているシーンが多いから。
『屋根の上のサワン』は初めて書いた小説の元ネタです。
井伏は雁でおれのは猫ですが。
『朽助のいる谷間』の山陰地方山間部で暮らすハーフ美少女タエト。
『シグレ島叙景』の無人島野兎の群れの権利所有でもめるおっさんとおばさん。
『へんろう宿』ではお婆さんが描かれていて、その深度は深沢七郎『楢山節考』と良い勝負かも。
『へんろう宿』の方が問題提起感がなく、よりイケてる気がします。
『大空の鷲』のクロ。
『夜更けと梅の花』の酔っ払い。
『遥拝隊長』の帰還軍人。
代表作は『山椒魚』らしいのですが、あの作は妙に説教臭く、おれは井伏っぽくないと感じました。
長編『黒い雨』は広島での原子爆弾被ばくの話で、おそらく世界中で読まれているだろうから、昨今の80年代J ポップリバイバルのように井伏ブームが来ることもあるかもしれませんね。
インバウンド需要は更に高まるだろうから、井伏好きなコア旅行者も来日するかもしれません。
ここまで。
明日も書きます。
今夜の一曲。
Golden Slumbers Medley (from Abbey Road) -- Paul McCartney