火曜日。
昼休みに前回のレンタルスタジオでの様子が録音されたものを聴きました。
想っていたよりも良い音でほっとしました。
練習用のオリジナル音源が打ち込み系で、レンタルスタジオでの生ドラムのドライブ感に合わせるには現場対応が必要です。
次回のスタジオ入りでは、おれも指弾きでチャラチャラ弾くのは止めてピックでガツっと抑揚をつけたし。
作業所への行き帰りの電車内で文藝MAGAZINE・文戯24のコンペに上がった4作以外を読んでいます。
小説を読む、ということが実に久しぶりで、なんだか目で活字を追ううちに「了」を迎えてしまった気もしますが所感を。
『鬼の窩』。
山陽地方らしき土地名が詳しく記されたこの作は、その土地の事を詳しく知らなくても興味深く読めました。
二十代の頃に「さんか」と呼ばれる定住をせずに山間部を狩猟採取しながら移住して暮らす民について知りたくて図書館に通ったことがあります。
さんかの当て字のひとつに「山窩」があり、本作もその文字が使われていて、鬼がでてきます。
柳田国男や宮元常一の著作に、「鬼伝承」の鬼が「山窩」を指すようなことも書かれていた記憶があります。
本作は構成が複雑なれど、里に住む者と山の鬼との交流、がメイン。
山の鬼の子を身ごもった里の女が生まれた赤子を川に流す、との記述もあり、土地柄から「桃太郎」伝承も想起されました。
流された赤ん坊が爺婆に拾われ育てられ、長じて鬼を退治するのかと。
桃太郎伝承とは復讐譚である、との暗示と共に読了しました。
ここまで。
明日も書きます。
今夜の一曲。
ライ・クーダー『Maria Elena』。