日曜日。
休日。
スーパーにおせちが並ぶようになりました。
あれは基本、その家のお母さんを休ませるための保存食だから、塩っ辛いものが多い。
カズノコも昆布巻も伊達巻も栗きんとんも売ってました。
子供のころ、正月には父親の実家に行き、お年玉をもらい、おせちも食べましたが、煮物に慈姑が入っていて、最も不味い食べ物のひとつでした。
後年、吉行淳之介『暗室』を読むと、冒頭に慈姑の描写があり、あれなら美味そうだ、と思いました.
検索して探してみると見つかったので、ここに紹介します。
「慈姑を擦りおろしたものを、焼海苔でくるんで、油で揚げる。昔それを食べて美味しいとおもい、もう一度食べたいとおもっているうちに、五十年経ってしまった…。ある女流作家が、そういう随筆を書いているのが、私の印象に残った。気にかかりながら、五十年の歳月がずるずる経ってしまったというのは、異常のようにもおもえ、また、そういう場合がしばしば起こるものなのだ、とおもった。」
良い文。
慈姑も美味そうっすね。
あと、句読点が多い。
ところで、この小説を、おれはいまでも「最高の読書体験のひとつ」と思っていて、機会があれば再読したいっす。
おれが読み取ったテーマは、生殖を目的としないセックス。
最も古い職業は兵士と娼婦だというから、人はずいぶんまえからそういうことをしていたのですね。
生殖ではないセックスなんて、生物としてはとてもヘンなことで、それが常態化したころから、人は種としては滅びの坂を下っていると感じます。
手短にここまで。
明日も書きます。
今夜の1曲。
エリック・クラプトン『HEY HEY』。
オリジナルはビッグ・ブル・ブルーンジーというミシシッピ出身のブルースマンが弾いたインストですが、クラプトンが『アンプラグド』で弾いて以来ブルース・スタンダードになりました。
クラプトンはワクチン反対派。
頑固なお爺ちゃんになったようです。