月曜日。
定休日であり、旗日でもある。
成人の日で、街に出れば、晴れ着姿の女子がたくさん歩いているのだろう。
おれの育った家は、母親が不動産転がしをしていて、住所が何度も変った。
新宿区に生まれたが、そこは若い夫婦が暮らす賃貸のアパートだったのだろう。
おれの記憶にはほとんど残っていない。
壁にクレヨンで落書きしたことくらいである。
幼児から中学の前半までは、西武池袋線の沿線を転々とした。
中学の後半に渋谷区代々木に引っ越し、そこは当時としては瀟洒なマンションだったが、そこからすぐに狛江の母方実家に引っ越した。
いま、狛江に住んでいるのは、当時の土地勘があるからである。
代々木のマンションはある国の外交官のような人に貸していた。
高校の後半に代々木に戻ったが、すぐに千葉へ移転した。
成人はその地で迎えたが、成人式の案内は届かなかった。
届いても式典などには行かなかっただろうとは思う。
高校の同窓会名簿にも「行方不明」と書かれている、と友人から指摘された。
千葉に来てから、いよいよ転がしは上手くいかずに、千葉だけで7~8回は引っ越しをした。
引っ越す度に家屋はみすぼらしいものになっていった。
そのころに、おれはアメリカに留学するのだが、300万円とかをエージェント会社に払ったはずである。
転がしの負債額が大きくて300万は大した額ではなかったのであろう。
アメリカから自宅に電話をかけても、テンポラリーディスコネクティッドで通じなかった。
電話料金を滞納していて、つながらないのである。
仕送りがまるでこないから、あー、どうせまた借金取りに追われて住居を替えたりしているんだろうなー、と思った。
帰国してみると、住居は今までで最も狭い物件だった。
市営団地の一階で、狭い庭に小さくない犬がいた。
そこにおれのスペースはないから、千葉の柏に塾講師の職を見つけ、流山に庭付きの小さな家を借りて、犬を引き取った。
塾では中学生に英語を教えた。
夕方から仕事で、昼間はポンコツのサニーで犬と一緒に江戸川の土手っぷちに行き、犬をリードからときはなち、思いっきり運動をさせ、おれは土手に座ってギターを弾いた。
ところで、成人式といえば、15年くらいまえの2ちゃんねる創作文芸板で、「成人式」がお題のコンペがあり、おれも参加した。
おれが書くものは、ほとんどが実体験に基づいたものであるが、このコンペにだしたものは、自分なりに物語った。
上記がそれであります。
猫と話すくだりは、わるくないだろうと思っているのだが、この作は、不人気で、PVが少ない。
まー、今日は成人式の日だし、かるく宣伝をして、この項を終わる。
ではでは。
明日も書きます。