土曜日。
休日。
昨日記した通りに御茶ノ水の楽器店にリペアが仕上がったヤマハのアコギを引き取りに行きました。
凹みはきっちり直してありましたが、事前に「これを張って」と渡したおいたエリクサーの弦がキラキラし過ぎてそこがちょっとなー。
購入時もエリクサーが張られていましたが、それはブロンズ弦。
今日張ってもらったのはフォスファーブロンズ弦で、銅だけでなくリンを少し含んでいます。
おれがおれのためだけに弾くギターとしては、キラキラ抑えめのブロンズ弦の方が良いと判りましたが、エリクサーは長持ちするので、しばらくはこれで我慢することになりそうです。
あと、弦高が持って行ったときより高めで、「6弦12フレットで2.2ミリにして欲しい」と頼みましたが、「それくらいになってます。適正です」と。
全然なっていなかったけれど、おれはアコギを弾くときはハイフレットをあまり押さえないし、弦高は低すぎると音量がショボくなるし、メーカー保証もショップ保証も3年間あるから、弾いてみて高すぎると感じたら低くセッティングしてもらえばよろしい。
さて、中央線を使わずに小田急と直通の千代田線であの街に行きました。
乗り換えで時間が途切れるの避けるため。
電車内で昨日の項で記した白石昇『足の間』を読みたかったから。
新御茶ノ水駅手前で読了し、え? もう? と。
ここから先は昨日の項同様、読もうと思っている人はパスしてくだされ。
周辺知識をなるべく入れないようにして読み始め、おれが知っている白石昇の著作は長いものが多かったから、今回もそういうつもりだったのですが、短編でした。
作り込みは見事でしたな。
書き出しでエスニック的な炊事描写があり、途中、うなぎの押し寿司が出てきて、〆に手切れ金を拒んで1000円を得た女の子がうなぎを買って食べます。
うなぎは女の子が故郷の国で生きるために捕獲して売っていたそうな。
日本でバカ高いうなぎにびっくりしたり、蒲焼きの押し寿司をとても美味しそうに食べるシーンがあったり。
手切れ金を持ってきたのはボーイフレンドの母親で、嗚呼、よくあるパターン? やめて? と思いましたが千円だけもらう、というのは良いかも。
ボーイフレンドの愛車がLAV4で、おれはあのクルマが一斉を風靡した時代を知っています。
固有名詞があの時代を象徴しています。
記されていなかったけれど、「あたし」の震災体験は阪神淡路大震災でせう。
女の子が地図を見ながら故郷を語る際に、朝鮮半島から指を伸ばすのは、生まれ育った地域が大陸で、かつ海から遠いところで、おれら(日本人)がほぼ無意識に外国を指す語が「海外」で、それは世界標準ではないことを読む者は知ります。
女の子は英語で書かれた観光案内的掲示板を理解している描写もあり、国籍はフィリピンかなともGUESSしましたが、あの国は無数の島から成っていることをいま思い出しました。
LAV4のころは水商売系にフィリピーナが多かった記憶と英語を読めるという設定での連想でしたが、外れっすね。
読みながら海外実習生制度にメスが入るようなことは説教くさくなるからやめて欲しいなーとも危惧しましたが、それもなく安心しました。
「あたし」が小高い丘の頂から、足の間、に広がる景色(稜線や海)を見下ろして、それがすなわちこの作品のタイトルで、「そこか!」と。
読後に湧いてきた感情は「技術がある書き手が書いた作品だなー」ということです。
いやー、なんちゅーか、文學界掲載だからか、構えてしまった。
ここまで。
明日も書きます。
今夜の1曲。
というか動画。
返ってきたギターはYAMAHAのこの型番にピックアップが付いたものです。
再生回数405で、Eric・David さんは名もなき弾き手ですが、良い音で鳴っています。