金曜日。
今日は午後から慣れない仕事をした。
身体を動かす作業で、冷房の効いた部屋であったが、おれは汗にまみれた。
ユニクロのグレーのTシャツの上半分が汗を吸って濃いグレーになった。
作業中にふくらはぎや足の指先が攣った。
休憩時間に椅子に座ると、ふくらはぎの攣りが悪化する気がして、仕事再開まで座らずにアキレス腱を伸ばすストレッチをした。
毎年、この時期に、ビニールハウスで農作業をするお年寄りが熱中症で亡くなる報道を目にするが、還暦をちょっと過ぎたおれが、冷房の効いた部屋で少し身体を動かしてもこういうことになるのだから、ビニールハウスでの農業を生業にしている人は命がけであることを知った。
作業は出張先であったから現地解散となり、おれは駅の近くの日高屋に入店した。
どうしてもビールが飲みたかったから。
日高屋は、夭折した罧原堤がたびたび行っていた廉価の中華料理チェーンで、おれは今日が初めてである。
餃子とレバニラ炒めでジョッキの生ビールを3杯飲んだ。
カウンター席に案内されたが、隣席との境にコロナ対策のアクリル板が。
16時ごろで、まだ客は少なくアクリル板の向こうは空席でした。
餃子は正直にいって王将に劣っていたが、レバニラ炒めは量も多く予想外に美味かった。
ところで、いま語っている罧原堤は京都の観光地のことではない。
そういうペンネームの者が、おれのかつての遊び場にいたのである。
おれはその者が書く小説のファンであった。
京都の者ではなく、熊本との県境の福岡の者であることをあとから知るのだが、最初に良いと思ったのは『平日』という作で、「ジャガタニ公園」に祖母と花見に行く話で、ジャガタニ公園を検索したら熊本にあることが知れたから、熊本の者だと早とちりしたおれは、かの地の名物を思い出し、
「おい、馬刺しを送れ」
とレスだか電話だかしてみたら、マジで馬刺しが送られてきた。
捨てメアドでのやりとりがあったのである。
「いいやつを送ったから」
と、電話だかレスだか忘れたが、そういう前置きの翌日にクール宅急便で馬刺しは届いた。
本当にモノが良く、おれは喜んで肴にした。
それからしばらくして、彼は東京に住まいを移した。
最初の宿泊はおれの部屋だったはずで、以降何度か泊まったことがあった。
彼はおれの小説を褒めなかったが、当時持っていた マーチンのギターを弾いて聴かせたら「うまい」といいましたな。
ではでは。
ここまで。
明日も書きます.