土曜日。
今日から来週の土曜日まで、世間はお盆でお休みの人が多いのだろう。
コロナで経済が動いていないしね。
さっき今日の東京の感染者数が報じられたが、昨日にひきつづき400人を超えている。
今朝は目覚めてしばらく経ってからベッドを出て、それでも6時まえであった。
テレビを点けてパソコンを立ち上げ、7時頃からアコギをチューニングして弾いた。
8時前に、書くと決めた小説の構想を練るため、駅前の松屋に朝定食を食いに行った。
きっちり朝飯を食って、10時に開くスーパーに向かわなようにするためで、そうなれば午前中から飲酒するとはないと思ったから。
ネタは建築系中小企業に勤めていたころのあれこれにしようと思っている。
当時のことが浮かんでは消えるが、とりとめもなくまとまったイメージにならない。
おれがそこの社員になったころは、5人位の小さな会社でした。
大手ゼネコンの第一下請けであったが、いわゆる「丸投げ」をする会社で、おれの仕事は現場代理人でした。
元請けによって、「丸投げ」しやすい場合とそうでない場合がある。
A社は現場の者の権限が強く、B社だと現場より本社や支店の権限が強かったりしたから、A社の現場監督のトップに贈賄し、B社にもそうしても、見返りはA社が良かったから、A社に偏った受注になる。
A社の現場の偉くない監督や、下請けが手配した職人たちは、「丸投げ」をおもしろく思わいのが当たり前で、問題が起きると現場代理人のおれにクレームがくる。
問題とは、下請けの下請けの下請けあたりの町工場が制作して搬入する品物がガラクタ同然であるとか、そういうこと。
取り付け職人たちは、
「こんなブツでは仕事にならない」
といい、
下級監督たちは、
「工程の遅れをどうしてくれるのだ」
と文句をいう。
30歳を過ぎての転職で、前職は旅行代理店の添乗員であったから、量産品ではない細かい金属工事の図面など、よめるはずもなく、わけも分からず元請けにも職人にも「すいません」と謝っていた。
いつの日もそんなふうであった。
丸投げ物件だから、なまじ知識がある者よりも、素人を現場に行かせる方がよかったともいえる。
人質的に。
まー、建築現場はいつかは竣工するもので、実際そうなったが、おれには理解できないことでのクレームや叱責が延々と続き、我慢の日々であった。
要するに、クレームと叱責を受けるのが仕事であった。
待遇は良かったから、浪費した。
ギブソンやマーチンのギターを買い、フランス車を乗りまわし、週末には魚釣りをした。
週末といっても、土曜日に休めることは稀であった。
魚釣りは、船には乗らない陸っぱりからだったから、トイレの関係で女子を連れていけなかった。
クレームの具体例をひとつ書いてみよう。
1F がマツダのディーラーで、2F から上がマンション、という現場で、下請けが取り付けたエントランスの庇が、おれが見てもガタガタであることが分かるほどで、その庇の請負額が安くなく、監督は自分のマツダ製クルマを横付けし、
「おまえんとこが取り付けたこの庇より、おれが施主から買ったこのクルマの方が安いってことはないだろ!」
という。
だれが見てもそれは正しいが、庇は丸投げで、かつ非量産品で、当時の日本のクルマはクオリティの高さと廉価であることが売りで、比べたって意味ないじゃん。
おまえんとこの親方がうちの社長から賄賂をもらってんだからしょーがねーだろ。
とはいえないので、
「すいません」
と。
まー、ほんの一例なんですが。
ではでは。
ここまで。
明日も書きます。