火曜日。
週初め。
作業所の今日の仕事は、左手親指に負担がかかるものであった。
左手親指負傷のおれは別メニューの仕事を朝一から16時まえまでして、それは紙貼り仕事であったが、600枚に達した。
明日は、本来なら定休日であるが、年末年始の休みで、今月の売り上げが厳しいからという理由で通所することになった。
それがべつにいやでないっす。
貸しスタジオでの練習があったが、見学する者がいて、終わって機材をかたづける際、彼女は「あの曲はなんですか?」とおれに訊いた。
「いやー、曲じゃなくてブルースのアドリブです」
と応えたら、
「えー、アドリブであんなに弾けるんですか?」
とかいっていて、まー知らない人はそう思うだろう。
英会話とか、全然できないころは、ちょっと喋れる者がすごいと思えたが、自分がそうなって、喋れない者からそう思われてみると、なんだかこそばゆかった。
まー、おれは属性ブルースギタリスト自己認定で、もうちょっと解る者に聴いてほしかった気はする。
この1年くらい、DドリアンスケールとかGエオリアンスケールでのアドリブに取り組んできたが、それはジャズとかフュージョンで使われる音階であるが、ライブの録画映像をみると、さまになっていない。
それまでは、40年以上、ブルースのスケールで弾いてきたので、ペンタトニックが指に染みついていて、ちがう音が混じると何をすればいいのか解らないうちに終わってしまう。
おれは歌を歌わないから、アタマからエンディングまでギターソロなのであるが、それが5分とかで2曲だから、簡単なことではないのである。
普通はイントロを弾いて、歌が始まってAメロとかBメロとかのあとで、間奏でちょろっとギターソロが入るくらいで、エンディングにまたちょろっとソロを弾く感じだろう。
「おれは絶対歌わない」
とこのライブにでるようになって宣言したので、仕方がない。
というか、歌うよりソロを弾き続ける方が、いまでも気持ち的には楽であります。
今日は、DドリアンやGエオリアンではなく、ブルースのスケールで弾いた。
やはり年季がちがう、と弾きながら思った。
10代のころから、ロックミュージシャンの浅い物言いがいまいち好きになれなかったおれは、自分はブルースギタリストとであると規定し、クラプトン経由で、BBやアルバートやフレディを聴いた。
30の頃には、ロバート・ジョンソンにまで辿り着いた。
アドリブが弾けるようになると、彼等のレコードを聴きながら弾いた。
途中からCDになったが、40年くらいそうしてきた。
いま、還暦をすぎたが、ロッカーならロートルだが、ブルースマンであれば、まだ駆け出しである。
さきはながいのである。
れいによって、へんかんできなくなった。
ここまで。
あしたもかきます。