土曜日。
作業所での仕事で、新人さんがおれの半分の数量しかこなせなくて、ため息をついていた。
おれが新人だったころもそんなだった。
おれの倍くらいの数量をこなす多い者は、とりあえず無視して、おれより少し多い数量の者を意識した。
その者よりはやくできるように努力し、それが成ると、次のターゲットもそんな感じで抜いて、それを繰り返すうち、今のおれは一番はやい数人のうちのひとりである。
まー、うちもそうだが、作業所の仕事は、単純作業であることが多いのだろう。
それをこなすには、自分なりにオプションを付けることが必要で、だれそれよりはやくやるぞ、ということが、おれのオプションであった。
いまや、最もはやいおれは、どんなオプションをつけたらいいのだろう。
昼休みに、作業所近くのスーパーを覗いたら、鱸刺身のとなりにアイナメ刺身みがあった。
鱸とアイナメと、両方を買った。
アイナメは、岩礁に生息する魚で、漁師の網にはかからないから、魚屋やスーパーでは、滅多に見れない。
釣りをする者にはお馴染みの魚で、堤防のテトラポット付近で釣れる。
おれもたびたびでかいのを釣ったが、あの魚は、釣ってすぐに〆ないと、味が落ちる。
釣ってクーラーボックスにいれると、いつまでも生きている魚と、すぐに死んでしまう魚があるが、アイナメはすぐに死んでしまう魚であった。
ちなみに、ムラソイとかは、いつまでも生きていた。
今日買ったアイナメは、しっかり〆たのだろう。
くさみがなく、とても美味かった。
ではでは。
明日明後日と連休っす。
これまで。